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アメミヤ

体験小説プロジェクトについて/体験作家アメミヤユウ

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体験小説「RingNe」

RingNeは「体験小説」という没入型コンテンツの新ジャンルであり、思索的に仮想未来をプロトタイプする新しい文化形態のフォーマットで制作しています。

 

体験小説とは、空想の世界を小説として書き、その世界を体験として開く手法です。体験はフェスティバルを中心に、舞台や展示、イマーシブシアターなど場合によって様々で、特定のものに限定しません。

特徴的なのは下記の3点


①体験の制作から間口が開かれ、テーマに沿って自由に想像し体験を制作できること。
②開かれた体験の中で参加者は自分で設定、振る舞いを決めること。
③体験で実際に起きたことが原作小説に加筆され、物語が変わること。

​体験小説のコンセプトムービーがあるので、まずはこちらをどうぞ。

​空想、フィクションの世界を身体で没入体験するようなコンテンツはいくつもあります。例えば有名どころだとディズニーランド、USJ、あとはリアル脱出ゲームやイマーシブシアター、マーダーミステリーなど。

 

その多くがフィクション世界の景色やキャラクター、世界観を顕現し、ある程度規定されたコンテンツの流れを味わう中で、その体験設計の中で没入感が増していく構造です。

 

体験小説は冒頭の例で言うとディズニーランドなどテーマパーク型に近い、オープンワールド式の没入型体験となります。

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しかし自由度は更に高く、多方でさまざまに展開するコンテンツの体験に加え、自らコンテンツを創作して開くことができます。また、その日その時でしか起こり得ない出会いによって参加者同士の突発的なインプロビゼーション(即興劇)も起こります。

 

数日間のイベントという形式なので全てはスクラップ&ビルドであり、完成した世界観を常態的に楽しむというよりは、一時的な自由空間を共に創造して刹那的に楽しむことができます、​つまり「創るも自分、過ごすも自分、壊すも自分」であり、空想世界の想像〜創造〜滅亡までを、全ての関係者が一時的な集合体となって共犯する営みになっています。

​体験小説の成立には以下の3点の要素が必要になります。

RingNeで実際に行われていることと重ねながら紹介していきます。

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①原作小説があり、その世界観を元に体験機会がつくられている。

RingNeでは『RingNe』という3部作のSF小説を書き下ろしました。2044年の南足柄市を舞台に”人が植物に輪廻する世界”を描いた物語です。

植物という身近で不思議な生命体の生命感覚と人の死を地続きにすることで、ポストアントロポセンの新たな生命観を思索しています。

原作の1部、2044年の物語を昨年2023年にフェスティバルとして現し、今年は原作2部の2045年の物語が表現箇所となります。

 

原作小説は全文無料で公開していますので、よろしければ覗いてみてください。

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②遍く人々を歓迎し、誰もが作中の余白を自由に想像し二次創作することができる。

制作の際は、小説はあくまで「そうぞうの種」となり、物語の余白部分や世界観の解釈は制作メンバーそれぞれに委ねられます。

 

これによって作中以上の新たな広がりを持った物語が、当日のフェスティバルでは展開されることになります。

 

例えば、昨年は葉っぱの仮面を仮装した人々が現れたり、原作からインスパイアされた楽曲が演奏されたり、滝に植物の構造を投射するプロジェクションマッピング作品が生まれたりと、自由な解釈が各所に出現しました。

 

また、制作メンバーは広く募集し、物語の世界の中で各々のやってみたいことを表現できる場づくりをしています。

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③小説を現実に現した際に実際に起きた出来事を小説へ追記し完成させる。

空想世界を現実に開くだけでなく、現実で起きた出来事も空想世界に開くのが体験小説の特徴です。現実に開くまでに起きた出来事や、開いた時間に起きた出来事との邂逅を小説へ改稿し、フィクションの小説にノンフィクションの史実が付け足され、虚構と現実の境目は更に曖昧になっていきます。
 

実際に昨年の様子は作中の該当シーンに改稿、追記され、フェスティバルの環境の変化により、登場人物の心象にも変化が起きました。
 

小説にはフェスティバルという不特定多数が交わる偶発性の中でしか生まれることのなかった物語が現れ、それが次年度のフェスティバルに影響を与え、空想の世界がある種の運命性を帯びて発展していきます。

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つまり体験小説とは体験(フェスティバル)と小説だけでなく、その3年間に関わるすべての人々(想像世界を創造する共犯者)の営みも作品として内包しています。現実に足をつけながら想像の世界で頭を繋げる共犯関係は、日常では起こり得ない特異な関係性を生み出します(2045年の常識と2019年の情勢がごっちゃになった新たな文化が生まれたり/未来の世界の生命観に影響されたり)


それは小さな環境で起こる小さな歴史ですが、今後起こりうる未来社会の最初のプロタイピングとして、イマジネーションの媒体として、人類史上重要なそうぞう資産だと思っています。3年間を経て最終的に制作された小説は現実に起きた写真や映像も織り交ぜながら単行本として完成させます。

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前作の体験小説『KaMiNG SINGULARITY』の単行本

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