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フェスティバルエリアについて/フェスティバルエリアディレクター岩崎佐和

岩崎佐和

横浜市生まれ。「生きているとはどういうことか」を知るために分子生物学を専攻。博士(理学)。現在は、音楽を通じて豊かなコミュニティを形成する方法を地域やグループで模索している。トロンボーン奏者としても活動中。「まちなか立寄楽団(寿町)」「ヨコハマサウンドマッピングプロジェクト」を主催。

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みなさんこんにちは。今回のRingNeでは地域との共創エリアを担当している岩崎佐和です。

昨年この土地を訪れてから、不思議と良いことがたくさん起こるようになりました。豊かな自然の中で過ごす時間や、地域の方々との交流が多くの学びとなり、私の心と身体に良い影響を与えているのだろうと感じています。

生きものってなんだろう

 子どもの頃から、この世界に驚くほど多様な生きものが存在していることを不思議に感じていました。生物学を学べばその謎が解けるのではと思い、研究者を目指しました。研究ではゲノム解析を通じて、私たち哺乳類が古代のウイルス由来(と考えられる)遺伝子配列を利用して胎盤などの新しい器官を獲得してきた歴史に触れ、生きものや進化に対する印象がガラッと変わりました。生きものには本来敵も味方もなく、その時々の課題に全力で立ち向かいながら生きている。そのような感覚をもっています。

 

 現在は、生物学の知識をもつ一人の人間として、人類を含め生きものがどこに向かうのかを知りたいと考えています。RingNeの魅力は、多様な背景・異なる価値観をもつメンバーが集まっているところです。豊かな森を参考にしたコミュニティが一つのフェスティバルを作ると、どんなことが起きるのだろうか。外から観察することも研究の一つの方法ですが、内に入ってわかりたい。そのような気持ちでRingNeに参加しながら、今年は地域共創を中心としたフェスティバルエリアのディレクターを担当しています。

そうぞうしておもいっきり遊ぶ

 生きものとして生まれたからには、この個体に与えられた感覚を駆使して世界を楽しみたい。神経細胞を発火させて思い描いたことを実現させたい。そのように考えています。でも、いまの社会の中で、自分を出すことはとても勇気がいります。異なる価値観の人と争いになるくらいなら、自分を抑えることを選びたくなります。ただ、生きていたら自分って、どうしたって出てしまう。

 

 初めてRingNeのメンバーと夕日の滝に行った日を思い出します。ある真冬の日、そこには静かで暖かな心地よさがありました。現地につくと誰かが指示をだすわけでもなく、各々のペースで滝に向かい、誰かが滝で遊んでいればそっと見守り、戻ってくるのを待っていました。それぞれの過ごし方を尊重する場がそこにはありました。「ここは自由で、好きにしていいんですよ。あなたも、私も。

 

 私は、このような自由な環境が、想像から創造への扉を開き、安心しておもいっきり遊ぶ場を形成する土壌になると考えています。RingNeでは仲間たちと共にそのような場を作っていきたいと考えています。

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関本公民館で行われた演劇ワークショップの様子

南足柄の皆さんとつくる

 昨年、RingNeが初開催を迎えられたのは、地域の皆様のお力添えのお陰でした。ここで、南足柄の赤坂博之さんについて少しご紹介させてください。赤坂さんは、夕日の滝でRingNeを開催するにあたり、土地の所有者や近隣の方々、市役所の方々と私たちを繋いでくださり、また地元のマルシェ出店者、アーティスト、地域での活動をされている方々を紹介してくださいました。「こいつら面白ぇよ〜。俺はうまく説明できないからとにかく(フェスティバルに)来てくれ。」と地域の方にお声がけしてくださる姿を見て、今年は南足柄の方々と共に思い出に残る作品をつくりたいと思いました。

 

 今年は、俳優の傳田(でんだ)うにさんをお招きして、南足柄の皆さんと演劇を作ります。傳田さんはこれまで南三陸や京都、静岡などで地域の方と作品を作り上げてきた経験があり、南足柄の魅力も感じてくださっています。これまで表現の舞台に立ったことのない方が一歩踏み出せるような企画にしたいし、「人と植物の間(あわい)を巡る」をテーマに、子どもから大人まで皆さんの経験がぎゅっと凝縮されたような作品を作りたいです。なにかを共に作る楽しさを一度経験した人は、次もまた作ってみたくなるはずです。プロジェクトの3年目に向けて、RingNeがそんなきっかけとなることを願っています。

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